毎年3月になると、組織改正に伴うデータベース更新作業がある——そんなチームは多いのではないでしょうか。今年、弊チームではこの年次タスクをうっかり忘れるという事象が発生してしまいました。
「来年こそは忘れないようにしたい」。そこで検討したのが、Microsoft 365(O365)の仕組みを使った自動化です。3月初旬になったら自動でメールを送り、Plannerにタスクを登録する——これがすべてPower Automateで実現できます。本記事ではその方法を解説します。
なぜ「忘れる」のか? 年次タスクの落とし穴
月次や週次の定例作業であれば習慣化されやすいですが、年に一度しか発生しないタスクは記憶から抜け落ちがちです。引き継ぎ漏れ、担当者交代、慌ただしい年度末——これらが重なると、年次タスクはあっという間に忘れられてしまいます。
解決策は「人が覚える」ことをやめ、システムに覚えさせることです。
O365のPower Automateで何ができるのか?
Microsoft 365に含まれるPower Automateは、ノーコード/ローコードで業務プロセスを自動化できるツールです。プログラミングの知識がほとんどなくても、画面上の操作だけでフローを構築できます。今回のユースケースでは以下の2つを自動化します。
- 毎年3月1日にチームメンバーへリマインドメール(Outlook)を自動送信
- 同じタイミングでMicrosoft PlannerにDBアップデートタスクを自動登録
Power Automateで自動化フローを作る手順
ステップ1:スケジュール済みクラウドフローを作成する
Power Automateにサインインし、「+作成」→「スケジュール済みクラウドフロー」を選択します。フロー名(例:「3月 DBアップデートリマインド」)を入力し、開始日時を翌年の3月1日・繰り返し間隔を「1年」に設定して作成します。
ステップ2:Outlookでメールを自動送信する
トリガーの次に「新しいステップ」を追加し、「メールの送信(V2)」アクションを選択します。宛先にチームメンバーのアドレス(複数可、メーリングリストも可)、件名・本文を設定するだけで完了です。
送信例:
件名:【要対応】3月 組織改正に伴うDBアップデートのお知らせ
本文:お疲れ様です。毎年3月に実施しているデータベースアップデート作業の時期になりました。期限までに対応をお願いします。
ステップ3:Microsoft Plannerにタスクを自動登録する
続けて「新しいステップ」→「Planner」→「タスクを作成する」アクションを追加します。設定する主な項目は以下です。
- グループID:対象のTeamsチームを選択
- プランID:対象のPlannerプランを選択
- タイトル:「組織改正 DBアップデート作業」など
- 割り当てユーザーID:担当者のメールアドレスを指定
- 期限日時:フロー実行日から2週間後など(関数で動的に設定可能)
フローを保存すれば設定完了です。翌年の3月1日から、何もしなくてもメール通知とPlannerタスク登録が自動で行われます。
必要なライセンスについて
今回紹介するフローは、Microsoft 365 Business BasicやE1以上のライセンスに付属するPower Automateの標準機能で実現できます。追加の有料ライセンスは不要で、OutlookコネクタもPlannerコネクタもどちらも標準コネクタに含まれています。
Teams通知との組み合わせでさらに安心
メール通知に加えて、Power AutomateからTeamsチャネルへの投稿アクションを追加することもできます。メールを見逃してもTeamsで気づける二重通知体制を組むと、さらに安心です。同じフロー内にステップを追加するだけで実現できます。
まとめ
Power Automateのスケジュール済みクラウドフローを使えば、年に一度の定期タスクも確実に担当者へ通知し、Plannerへのタスク登録まで自動で行えます。一度設定してしまえば毎年何もしなくてよいのが最大のメリットです。「忘れる前提」でシステムに任せる仕組みを作ることが、チームの生産性向上の第一步です。